税額控除とは?青色個人が使える所得拡大促進税制!
どうも、watawataです。
そろそろ確定申告の時期になってきました。
毎年2/16~3/15が確定申告をする期間になっています。
ちなみに、還付申告は翌年1月1日からできるため、その期間より早めにした方が良いです。
なぜなら、早めに出せばより早くチェックを受け還付金が口座に振り込まれるからです!
少しでも早くもらえた方がいいですよね!
そして、案外知らない人が多い「所得拡大促進税制」。
使えばかなりお得になる「所得拡大促進税制」について、まとめてみました。
参考:平成28年分!所得拡大促進税制!確定申告の仕方、書き方まで!【給料払う個人事業主向け】
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目次
「所得拡大促進税制」は税額控除の一つ
そもそも所得税はどう計算する?
所得控除と税額控除の違いを説明する前に所得税の計算方法について、ざっくり説明します。
所得-所得控除=課税所得
課税所得×税率-控除額=課税所得に対する税額(所得税(仮))
課税所得 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
・・・ | ・・・ | ・・・ |
(金額が大きいところは割愛しました。)
課税所得に対する税額(所得税(仮))ー税額控除=所得税
この所得税に復興特別所得税(H25年~H49年)2.1%を加えたものが「所得税及び復興特別所得税」といい、
この申告を俗に所得税の確定申告といいます。
テレビでタレントが「申告しないと!」って言っているのは、大体がこのことです。
所得控除と税額控除って具体的に何?
具体的な項目に簡単な説明を加えてまとめました。(よく使いそうなもの抜粋)
◎所得控除
・社会保険料控除…国民年金、国民年金基金、国民健康保険といった社会保険料の支払額。
・生命保険料控除…保険会社に支払った生命保険料。上限あり。
・小規模企業共済等掛金控除…主に小規模企業共済の掛金。
・配偶者(特別)控除・扶養控除…配偶者・子・兄弟など申告者が扶養している人の控除。年齢や同居か否か等によって控除額が異なる。
・基礎控除…扶養している人がいてもいなくても控除できるもの。金額は一律38万円。
◎税額控除
・住宅借入金等特別控除…住宅を購入する際借金した人が対象。基本的に年末残高×1%で算出。
・雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除(所得拡大促進税制)
所得控除は、所得から差し引いて課税所得を求めるために使います。
なので、所得控除は、所得税のうち実質【所得控除×所得税率分】しかお得になりません。
あまりインパクトがないのです。
【例】
所得(200万円)-所得控除(50万円)=課税所得(150万円)
課税所得(150万円)×5%=課税所得に対する税額(75,000円)
所得控除がないと
⇒所得税100,000円
所得控除があると
⇒所得税75,000円なので25,000円お得!
【50万円×5%=25,000円】(所得控除×所得税率)
税額控除は、課税所得に対する税額から差し引いて所得税を求めるために使います。
なので、税額控除は、その金額がダイレクトにお得になります。
これは、インパクト大!
【例】
所得(200万円)-所得控除(50万円)=課税所得(150万円)
課税所得(150万円)×5%=課税所得に対する税額(75,000円)
課税所得に対する税額(75,000)-税額控除(15,000円)=所得税(60,000円)
税額控除がないと
⇒75,000円
税額控除があると
⇒60,000円なので15,000円お得!
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「所得拡大促進税制」は、個人事業主でも利用できる
所得拡大促進税制でどれだけ税額控除できる?
ずばり、雇用者給与等支給増加額の10%を税額控除できます。
もっと分かりやすく言うと
「給与増やした分の10%、所得税下がります」
ただし、上限は所得税額の20%(青色申告する個人事業主、中小企業者〔法人税〕)です。
これを使って所得税0円に!と考えていた人には残念ですが、それでも20%というのは大きいです。
用紙一枚を出して、最大20%払う税金が減るのであれば、やらない手はありません!!
要件は3つ!
①雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が増加促進割合以上になっていること
②雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額(前事業年度)以上であること
③平均給与等支給額が比較平均給与等支給額(前事業年度)を超えること
引用元:所得拡大促進税制(経済産業省)
①を分かりやすく説明すると、
H27年給与 - H25年給与 ≧ H25年給与×102%
②を分かりやすく説明すると、
H27年給与 ≧ H26年給与
③を分かりやすく説明すると、
H27年雇用保険者平均給与 > H26年雇用保険者平均給与
※雇用保険者…主に正社員。バイト(雇用保険未適用)、専従者は除きます。
※継続雇用保険者が対象なので、H26年とH27年にまたがって雇っている雇用保険者の平均給与の比較。
分かりやすい具体例を紹介!これであなたも税額控除!
それでも分かりにくいという方もいると思います。
パンフレット(所得拡大促進税制(経済産業省))を読んで読んで、自分なりに具体例をまとめてみました。
1.平成27年に開業したパターン
要件①、②、③が基本的にすべて当てはまります。
「給与を初めて払ったのだから、増加していないのでは?」と思われる人もいると思います。
しかし、パンフレットに「昨年分の給与がなければ昨年の給与は今年給与の70%とみなす」と記載してあるのでOK!
(実際はもう少し難しく書いてあります)
そのため、
給与増加分=H27給与×30%
⇒給与増加分×10%を税額控除とできます(上限:所得税の20%)
2.従業員がバイト(一般被保険者)しかいないパターン
要件③は、パンフレットの記載より自動的に満たします。
そのため、要件①、②を満たせば、所得拡大促進税制を使えます!
所得拡大促進税制と聞いて、「正社員だけ何でしょ!」と思っている人も
計算してみて①、②を満たせば使えてしまうのです。
所得拡大促進税制の記入方法!
確定申告書Bの税額控除欄の配当控除のすぐ下にある空欄に
「投資税額等控除」、区分には1を記入します。
そして、金額には計算して出した数字(「H25年分と比較して増加した給与分」×10%か「所得税」×20%の少ない方)を入れます。
その計算をするのは、「雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除に関する明細書」です。
プリントアウトして記入していきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
所得拡大促進税制なんて、大企業だけ話と思っていた人もいると思いますが、
青色申告をしている個人事業主にも適用されます!
用紙1枚提出するだけで払う所得税が最大20%減るのは、大きいと思います。
ぜひ、計算してみてください。
少しでも参考にしていただければ、幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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